【生はちみつ保存ガイド】非加熱はちみつは常温が基本?固まる理由と戻し方まで解説 - モカメル

みつばちだより

【生はちみつ保存ガイド】非加熱はちみつは常温が基本?固まる理由と戻し方まで解説

生はちみつ(非加熱はちみつ)を手にしたとき、
「どこに置いておくのが一番いいんだろう?」
と迷われる方はとても多いです。

はちみつは保存性の高い食品で、ジャムのように“必ず冷蔵庫で保存しなければならない”というわけではありません。ただし、“生”だからこそ守りたい保存のコツがしっかり存在します。

まず最初に結論をお伝えすると、

生はちみつは、常温でじゅうぶん。むしろ常温がベスト。

です。

ここからは、なぜ常温がいいのか、冷蔵するとどうなるのか、さらに固まってしまったときの対処法まで、お話ししていきます。

岩手県産の生はちみつを瓶にゆっくり注いでいる様子

生はちみつに“常温保存”が向いている理由

はちみつは、水分がとても少ない食品です。
水分が少ないと菌が増えにくく、常温でも品質が安定します。

そして、生はちみつの魅力といえば、花の香り、その土地ならではの風味、酵素などの“生きた成分”。
これらは温度変化に敏感なので、冷蔵庫の環境よりも穏やかな常温の方が状態が安定しやすいのです。

「じゃあ常温ならどこでもいいの?」
というと、やっぱり守りたいポイントがあります。

・直射日光は避ける
・コンロまわりなど熱がこもる場所に置かない
・温度が上がりすぎる夏場は、できるだけ涼しい場所へ

たったこれだけで、生はちみつはおどろくほど美味しさを保ってくれます。

生はちみつが糸を引くようにゆっくり流れる様子のアップ写真

冷蔵庫に入れるとどうなる?

“はちみつは冷蔵庫に入れておかないと不安”
という方もいますが、実は冷蔵庫は 生はちみつにはあまり向いていません。

その理由は、ずばり 固まりやすくなるから。

はちみつは温度が下がると結晶化しやすくなり、冷蔵庫の温度帯はまさにその「固まりやすい温度」です。

固まってしまっても品質が悪くなるわけではありませんが、スプーンですくいにくく、パンにも塗りにくくなります。使いたいときにちょっとストレスになる、というイメージです。

ただ例外として、
・家の中がいつも暑い
・フルーツを漬けて水分が入ってしまった
などの場合は、冷蔵のほうが安心なケースもあります。

冷凍保存という選択肢

意外に知られていませんが、実ははちみつは冷凍保存も可能です。

はちみつは凍結温度が低く、通常の食品のようにカチカチに凍らず、ゆっくり・じっくり固まっていきます。冷凍しても酵素や香りはほとんど変化しません。

「まとめ買いして長く保管したい」
そんな方には冷凍が向いています。

ただし、使うたびに溶かす手間がありますので、小さめの容器に小分けしておくのがコツです。

はちみつが固まる理由。これは“生の証拠”です

はちみつが白く固まったり、じゃりっとした食感になると
「腐った?失敗?」と思う方もいますが、まったく問題ありません。

これは生はちみつが自然に持っている糖分の結晶化です。
とくにグルコース(ぶどう糖)が多いはちみつは固まりやすく、百花蜜ではよく見られる現象です。

アカシアなど固まりにくい品種もありますが、どちらが良い・悪いという話ではありません。

まさに“自然そのまま”ならではの個性と言えます。

スプーンにすくった生はちみつと、皿の上に置いたはちみつの三段階の状態

固まったはちみつを戻すには

固まったはちみつは、ゆっくり温めるだけで元どおり。

小鍋に水を張り、40℃以下のぬるま湯で湯煎をします。
あくまで“ぬるま湯”がポイントで、熱湯に入れると酵素が壊れやすくなります。

ゆっくり、じんわり。
自然な温度で溶かしてあげると、風味も香りもしっかり戻ってくれます。

開封後の注意点。守りたいことはたったひとつ

生はちみつの保存で最も気をつけたいのは “水分を入れないこと”。
スプーンが濡れたまま瓶に触れると、水分をきっかけに発酵が進むことがあります。

乾いたスプーンで、瓶の中に水滴を落とさないように使う。これさえ守れば、賞味期限まで美味しく食べられます。

いちばん大切なのは「温度と光」

まとめると、
・常温(暗所)での保存が基本
・冷蔵は固まりやすいので注意
・冷凍は長期保管には向いている
・水分は混入させない
というポイントさえ押さえておけば、生はちみつは驚くほど長く、美味しいままです。

自然がつくり出した貴重な恵みを、日々の生活の中でぜひ大切に味わっていただければ嬉しいです。

岩手県産 生はちみつ(天然 百花蜜)岩手県はちみつ品評会 日本養蜂協会 会長賞 受賞

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